囲碁の対局では、自分から負けを宣言して対局を終了させる、「投了」という行為があります。
囲碁をはじめて間もないころは、いつのどのように投了するか、少し戸惑うかもしれません。
碁盤と碁石で対局する場合に、知っておくべき投了の基本的な作法について説明します。
いつ投了するか?
途中で地合いが大差になり、逆転の可能性がないと自分で判断したとき、投了の宣言をします。
宣言の仕方は後ほど述べますが、大事な事は、投了するかしないかを自分で判断することです。
一見当たり前のようですが、囲碁を覚えて間もないころは、これが結構難しいのですよね。
なにしろ、地合いが大差であることを確認するためには、自分で形勢判断し、この先に自分が地を作る余地があるか、あるいは相手の大石を取ることができるか、ヨセで勝つことができるかを読まなければならないということですから。
普通に考えると、この時期であればそれはやはり難しいと思います。
そこで、囲碁を初めて間もない方が、投了のタイミングでもし迷われれることがあるならば、自分の石が30個ぐらいとられたときなど、明らかに碁盤から自分の石がたくさんとられたとき、といった基準で決められたらよいと思います。
スポンサーリンクこれでも、碁形によっては、逆転する可能性もあるかもしれません。でも、その可能性をかけて無理な手を打ち続けるよりも、早く投了して、次の対局を新たに始めた方が有益でしょう。
石はある程度とられたけど、はっきり負けているのかどうかわからない、という場合は、投了など気にせず、遠慮なく最後まで打ち進めてください。
結果、30目、40目負けていても構いません。別にルール違反ではありませんし、その方が納得がいく場合もあります。
ただ、この場合は、相手に「大差がついていたのにすみません。」と一言伝えるのがよいでしょう。
有段者ならともかく、アマチュアですから、きれいに投了することなどなかなかできるものでもありません、あまり気にしなくて大丈夫です。
ただし、やってはいけないことを1つ覚えておいてください。
あとはほとんどダメつめだけ、といったタイミングでは投了してはいけません。
ここまできたら、どんなに大差がついていて自分が負けていることにこの時点で気づいても、必ず整地をして、相手が何目勝っているかを確認するのがマナーです。
この点だけは押さえておきましょう。
投了の仕方
さて、その投了の仕方ですが、他の記事でも取り上げた以下の本にも説明があります。
投了するときは、アゲハマがある場合はそれを数個盤上に軽く置き、会釈しながら「負けました」とか「ありません」と、対局相手にはっきり伝えます。
アゲハマがないときは自石を置く、と書かれていますが、囲碁大会などではそこまでされている方はあまり見かけません。少なくとも、会釈しながら「負けました」とか「ありません」と言えばOKです。
余談ですが、上にあげた用語小事典、「対局マナー」の章だけでもぜひ読まれることをお勧めします。
まとめ
- 投了とは、自分から負けを宣言して対局を終了させることである。
- 投了のタイミングは、途中で地合いが大差になり、逆転の可能性がないと自分で判断したとき。
- 終局直前の、残りはダメつめだけといったタイミングで投了するのはマナー違反。
- 投了するときは、アゲハマがあれば数個碁盤の上におき、「負けました」あるいは「ありません」と相手にはっきり伝える。