囲碁のルールを覚えて間もないころは、どう勉強して自分の棋力をあげていくのか見当もつかないという場合がほとんどです。身近に指導者がおられない場合はなおさらですね。
ここでは、とくに入門者向けの囲碁の基本的な勉強方法について考えてみます。
基本は「打つ」「解く」「見る」「並べる」
囲碁のルールを覚えて間もないころも、上達して有段者になってからも、囲碁の勉強方法の基本は変わりません。
ここでは標語的に、「打つ」、「解く」、「見る」、「並べる」としておきます。
以下、順に見ていきましょう。
打つ (対局する)
囲碁のルールを覚えて間もないころは特に、この「打つ」時間をたくさん持つことです。
一局でも多く、対局しましょう。
すぐそばに囲碁を教えてくれる方がいればベストですが、そうでない場合も、近年は囲碁ソフトや囲碁アプリ、ネット囲碁などが普及し、一人でも他人やコンピューターと対戦できる環境は豊富にそろっています。
スポンサーリンクコンピューター囲碁も、近年の機械学習の驚異的な進歩で、とてつもなく強くなってきましたし、無料でも有料でも簡単に手に入るようになってきました。
「ルールは覚えたけれど、いきなり他人と打つのはちょっと気がひける」という方は、このコンピューター囲碁をどんどん活用すればよいと思います。
スマホやタブレットで動かせる無料のアプリもたくさんありますし、PCで動作する有料のソフトもまたたくさんあります。有段者でもそう簡単に勝てないような強い囲碁アプリが、市販品として簡単に手に入るようになりました。
囲碁の勉強に割ける時間がそれほど多くない場合は、とにかくこの「打つ」時間をたくさん作るようにしましょう。
19路盤を打つ時間がとれなければ、9路盤でも13路盤でもいいですよ。
また、ネット対局を手軽に行うには、「囲碁クエスト」のようなネットで対戦できる囲碁アプリを使用すればよいでしょう。
同じくらいの棋力の人とマッチングしてくれますし(そうでない場合もよくありますが)、勝ち星が増えてくると、自分のレーティングが上がって級位や段位が上がっていくので、励みになるでしょう。
なにより、待ったなしで人と対戦する緊張感、真剣勝負が棋力向上にはとてもよいのです。
もちろん碁石と碁盤で人と対局するのが一番よいのですが、必ずしもその環境にある方ばかりではないでしょう。今の時代、この囲碁ソフトや囲碁アプリを徹底的に活用しましょう。
解く(詰碁、定石、布石、手筋、ヨセの問題を解く)
次は「解く」です。
たっぷり対局できるようになったら、棋書による勉強も並行して進めます。
詰碁の問題集は、すき間の時間にすぐに取り組めるように、小さめの本を常に手元に置いておきます。
基本的な詰碁問題にたくさん取り組み、死活力を上げていけば、確実に棋力は上がります。
また定石、布石、手筋、ヨセの問題集にも取り組みます。特に手筋ですね。たくさん取り組むと石の筋や形に明るくなります。この力もとても重要となります。
見る(観戦する)
他人と対局を観戦するのもとても重要な勉強です。
毎週日曜日に放送されているNHK囲碁トーナメントなどのTV番組で、プロ棋士の実際の対局風景や大盤解説をよく見てみましょう。
碁盤に向かう姿勢、碁石の置き方、石運び、プロによる解説。解説はとても難しいと思いますが、是非よく観察してみてください。
それから、ご自身と同じくらいの棋力の方の対局をみるのもよいと思います。
例えば、先ほどご紹介した「囲碁クエスト」。無料でダウンロードやアカウント登録ができますが、まずは観戦してみるもよいです。
自分のレーティングと同じくらいの方同士の対局をリストから探すのです。
すると、多分ご自分が考えに浮かぶような手を対局者も並べていることでしょう。その後どう進行していくか、結末がどうなるか、終局したらどちらが何目勝っているか。これもよく観察てみましょう。
自分ならこう打つ、と考えなが観戦するとよいです。
対局者たちが、自分の考えた手よりも良い手を打っているようなら、ぜひ真似てみましょう。うまいと思う手を自分で試してみるのもよいですよ。
アマチュアで同じ位の棋力同士の対局が横から観戦できるのも、このようなネット対局のよいところです。こういったものも囲碁の勉強に活用したいものです。
並べる(棋譜並べ)
最後は「並べる」、すなわち棋譜並べです。
棋譜並べについては別の記事にも書いていますが、囲碁を始めて間もないかたにも、この棋譜並べ、特にプロ棋士の棋譜を並べるとことをおすすめします。
石がどのような方向に向かっていくのか、どういったところで手抜きするのか、攻め方、守り方、利かし方、最初はさっぱりわからないかもしれませんが、地道に棋譜並べをやっていくと確実に地力がつきます。
ご自身のお気に入りのプロ棋士、あるいは新聞碁、囲碁年鑑にのっている棋譜、最初はなんでもよいし、最初の30手〜50手くらいでもいいです。ぜひ取り組んでみてください。
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