石の1つのひとまとまりに2つのコウが同時にできている形を両コウといいます。
両コウは無限のコウダテ
両コウにより、石を取る側からすれば事実上石をとれている形にはなっていても、石を取られる側からするば、それを無限のコウダテとして利用できるという性質があります。
図1
図1を見てください。
右上は、次の棋書から引用させていただきました。
スポンサーリンクp.295 第7図です。
この図で黒1と受けると、両コウの形になります。白がaと取ると黒がbと取りますし、そののちに白がbと取り返すと黒もaと取り返します。
なお、黒からはbのあと、この状態から続けてその左の白石のひとまとまりを取りにいったりはしません。このままで白石が取れているので、手をかけるのはもったいないからです。終局前になったところで解消します。
それはともかく、白からはこれをコウ材として利用するのがポイントです。
同じく図1の右下で白は白2とハネて右下を活きる手筋を打っています。これは次の記事で取り上げました。
白6とコウにはじくのでした。黒cと取ってコウ争いが始まります。
ここで白は、右上のコウ材を利用するのです。つまり、白aと取ります。
黒石はアタリですから、黒bと取ります。そこで、白は白の2の地点に取り返します。
黒がどこか別の所にコウダテをするとしましょう。白はそのコウダテに受けておけばいいのです。
黒はまた黒cと取りにくるでしょう。今度は白がコウダテをする番。もちろん右上のコウダテを使います。bの一路右に取り返すのです。
黒はまたアタリですから、aの一路下に とりかえします。
白は白2の地点に取り返します。
おわかりでしょうか?黒は盤上にあるコウダテをあちこち順に使っていって右下のコウに勝とうとしても、白は右上の両コウだけをコウダテとして繰り返し使っていけばよいのです。
これが、両コウを無限のコウダテとして使うということの意味です。
両コウの別の例
両コウはもちろん他にもいろいろな形があります。
図2
図2は、以前私の実戦で出てきたものなのですが、棋譜が見つからず、正確な石の形を再現できなかったので、本質的なところだけを抜き出して図にしました。
黒1と白を抜いてコウがはじまったところなのですが、これは両コウです。白がコウダテをして、黒1の1子を取り返しても、黒a。以下、黒は1とaのどちらかを打てますから、右の△の白石は助からなくなっています。
ただしこれも、白からは「無限のコウダテ」として利用できるというわけです。
まとめ
- 石の1つのひとまとまりに2つのコウが同時にできている形を両コウという。
- 両コウで取られた石は、無限のコウダテとして利用することを考える。