ここでは、定石および布石における見合いの簡単な例を取り上げました。
見合いになっていることを理解できれば、他の地点に先行することができ、急いで打つ必要のない一手を自分から打って損をすることもなくなると思います。
定石や布石の勉強をするときに、この点も注意して見ておかれるとよいと思います。
定石における見合い
まずは定石に登場する見合いの例です。
もちろん、あげだすとキリがないですし、簡単なものもあれば難しいものもあります。
入門向けということで、考え方を知っていただくのが目的ですので、できるだけシンプルな例を上げて説明していきます。
図1は、必ず覚える定石の1つです。
白の小ゲイマガカリに黒が小ゲイマに受けたところがはじまる定石ですね。右
辺に白石が1つ置かれています。
この黒石の周辺を見てください。この図では、黒石のひとまとまりからみて、AとBとが見合いになっているのです。
つまり、白からAとハイ込まれれば黒Bと二間にトビ、白からCと迫られれば黒Bと打ちます。AとBとが見合いになっていることで、黒からすぐに打つ必要はないですし、見合いになっている以上はこの黒石のひとまとまりは安泰です。
ただし、話の前提として、黒石がAあるいはBに打てば、この黒石のひとまとまりは事実上活き石であるということをおさえておかなければなりません。
また、AとBとを白に両方打たれると、この黒石は相当攻められることになりますので注意が必要です。難しい話は少しずつ勉強することとし、AかBのどちらかは必ず黒から打つものと、まずは覚えておきましょう。
布石における見合い
続いて、布石における見合いの例です。
図2
黒1, 3から黒5と小ゲイマにシマるのは頻出の布石です。
ここで、白が6と割り打ったところ。
この時、白の立場からはaとbとが見合いになっているといってよいでしょう。
つまり、黒から例えばAときたら、必ずというわけではありませんが、白はaと二間にヒラけばよいですし、同じく黒から例えばBときたら、白は反対にbと二間にヒラけばよいのです。
どちらも3線上に二間にヒラく余地があり、その意味では白6の後続手として、白からはすぐに打つ必要はありません。(打つ作戦ももちろんありますが。)
黒からみると、Aから詰めるのとBから詰めるのとは意味が違ってきますし、それぞれの隅の形によって優劣の差がでてきます。
布石における見合いについて、もう1つの例です。
図3
黒も白も三連星の布石を打った局面。この局面では、例えばAとBとが見合いになっています。対称形ですから、同じ価値とみてよいでしょう。この2点は見合いなのですから、すぐに打つ必要はないと考えることができます。
従って、残りの星である天元Cに打つというのも立派な作戦です。この後、白がAと打ってきたら黒はBを占めればよいですし、白がBと打てば黒はAと打てばよいと考えるのです。
天元Cは1つしかありませんからね。
この例はなかなか出現しないかもしれませんが、見合いというものを考える時の良い例かと思います。
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