今日は、高川秀格著、「基礎から学ぶ 勝てる囲碁の法則」をご紹介します。
このような素晴らしい棋書が現在絶版になっているのは、とても残念です。
本書は、囲碁のルールを覚え、対局をこなし始めるころにぜひ読んでみていただきたい本です。
碁の手には一手一手に意味があり、打つ人の考えがこめられています。どのように考えるか、人によってわかれるのは当然ですが、その基本的な部分はおよそ共通なものです。
スポンサーリンクその共通ともいえる考え方について、大変丁寧に書かれている良書です。
第1章 隅の法則
第2章 辺の打ち方
第3章 大場のランキング
碁を覚えて間もないころの方が疑問に思われた、「なぜ隅から打ち始めるのか」、「隅を打った後はどう考えてうち進めていくのか」、「広い碁盤に数手打たれた局面、どのあたりが大きい手と考えられるのか」といったことについて、大変参考になる指針を得られると思います。
古書店や図書館などで見つけられたら、是非目を通してみてください。
個人的には、後半の「石の能率①〜③」、「手割論」の章がお勧めです。
石の能率という話、囲碁のルールを覚えただけでは考えが及ばないかもしれませんが、これを意識できるようになると、囲碁がずっとおもしろく感じられるようになると思います。同じ3手や5手をかけて石を並べるのに、どう考えて並べれば得をするか?最初は負け続きでも、こういう考え方を勉強して身につけていくと、棋力が上がってくるのです。
それから手割です。手割とは、石の効率(本書では能率)がよいか悪いかを評価する方法なのですが、手割の話をアマチュアにもわかりやすく説明した本はあまり多くないでしょう。本書では、40ページ弱を費やして、アマチュアにもわかりやすく説明されています。
さすがに囲碁を打ち始めたころから、実戦中に出現した形の手割をその場で分析できるということはありませんし、アマチュア有段者でもそれができる人は多くありません。でも、こういう方法論を使って囲碁の石の形が研究され、石の効率を高める工夫がなされるということ自体を知っていただきたいのです。
囲碁というものが、とても奥深くおもしろいものであることがわかっていただけるのではないかと思います。