ヨセ(1): ヨセとは

ヨセとは、中盤の戦いが終わった後、自分の地を増やし、かつ相手の地を減らして、境界線が決まっていない所を確定させるために打つ手のことです。

一局の碁の中で、ヨセの手の占める手数の割合はとても大きいのですが、実は多くのアマチュアにとって、あまり得意ではない分野かもしれません。プロの先生との指導碁などでも、ヨセで20目、30目くらいはあっという間に逆転されたりすることもよくあるでしょう。

難しい話題もある分野ですが、入門記事として、基本的な話に絞って説明します。

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ヨセの目的

ヨセの目的は、自分の地を増やすこと、そして相手の地を減らすことです。

囲碁は終局したときに、自分が獲得した地が多い方が勝ちですから、いずれも自分が勝つ方向に寄与していますね。

中盤では、両対局者の戦いが行われますが、戦いが終わったあと、両対局者が獲得したすべての陣地の境界を決めることになります。この境界線を決めるのに、少しでも境界線を相手の地の方に寄せていこうとがんばります。こうすることで、自分の地を増やし、そして相手の地を減らすことができるのです。

こうして、境界線が確定したら、そのあとどちらの地でもないダメをつめて終局、という流れになるのでした。

ヨセはいつ打つか

ヨセは、中盤の戦いが終わってから終局までの間に打たれます。まだ慣れないころは、序盤からついヨセの手を打ってしまうことがありますが、他にまだたくさんの大きい手、相手を攻める手、模様を盛り上げる手などがある段階で、ヨセの手を打つことは損になります。

ヨセの種類

ヨセには以下の手があります。

  • 両先手
  • 片先手
  • 両後手
  • 逆ヨセ

順番に見て行きましょう。

両先手

両先手とは、黒番から打っても白番から打っても先手になる手です。

先手になるというのは、自分の打った手に対して相手が受けてくれるため、また自分に手番が回ってきて別の所に打てる、ということです。

なぜ相手が受けてくれるか?それは受けないと損をするからです。もし損をしなければ、相手は受けてくれないわけですから、その箇所は先手で打てる箇所ではないということになります。

明確に先手とわかる箇所もあれば、「相手が受けてくれるかどうか、ちょっとわからない」という微妙な箇所もあります。このあたりの迷いや駆け引きが囲碁の面白い所の1つです。


図1

ここでは九路盤で説明します。

図1です。ここでは下辺の部分だけを見てください。白からAに打つ手と黒からBに打つ手があり、ここが両先手のヨセの1つの形です。

白からAと打つとしましょう。


図2

黒2、白3となりますが、ここで黒4とツガなければ、右下の黒地が大きく減ってしまいます。なぜなら、この黒4を省くと、白が黒4の位置に打つことによって、黒2の石が取られてしまうからです。碁盤に並べて確かめてみてください。よって、ここは受けなければならず、これで白が先手で打てたことになります。

反対に黒からBに打つとしましょう。


図3

同じ理由で、今度は白4が省けず、これで黒が先手で打てたというわけです。

補足ですが、手の大きさは、あくまで碁盤上にある他の手の大きさとの相対的な比較になります。他にもっと大きな手があるならば、場合によっては黒4や白4を省くことも考えられないわけではありませんが、ここではヨセの基本の説明としてこの図を取り上げました。

片先手

片先手とは、一方から打てば先手だけれども、もう一方から打てば先手にはならない手ということです。

黒の片先手、白の片先手があります。


図4

図4で、Bの地点が黒の片先手です。黒の権利ともいいます。黒Bと打てば、図3と同じ先手になりますが、白からAと打つと、


図5

図5のように、白1, 3と打った時に、黒は手を抜けるので、白から先手ではならないのです。

両後手


図6

図6になりますと、白がAに打つ手も黒がBに打つ手も、どちらも後手になります。理由は図5で説明した理由と同じです。

逆ヨセ

一方から打つと片先手になる箇所に対して、もう一方からそれを防ぐように打つ手が逆ヨセです。


図7

片先手のところで説明したとおり、図7で白Aは後手になるのでした。ここで白Bとサガる手が逆先手になります。黒Bが黒の片先手でしたので、それを防いでいますね。

この白Bに対して、黒がAと受けてくれれば先手になって大きな得をします。

もし黒が受けなかったら、すぐに打つかは別として、今度は白Cと打つ手が残るので、これも白にとって得となります。

ヨセは大きいところから順に打つ

ところで、通常ありえませんが、もし中盤から終局までの間、すべてのヨセを自分が先手で打てたとしたらどうなるでしょうか?

自分が打つ手に対して、相手がすべて受けてくれるわけですから、まだ確定していない境界線をすべて、自分の陣地が一方的に広くなるように広げることができるわけです。反対に相手の地が一方的に狭くなるでしょう。

しかし一般的に、そのようにはなりません。どこかで後手を打ち、相手に手番を渡すことになります。

ということは、これも一般的にですが、地の儲けが大きいところから打っていくということが大方針になります。

後手を引くけれど10目増えるヨセ(両後手十目)と、同じく後手を引くけれど5目引くヨセ(両後手五目)が残ったとしましょう。

この場合、当然ながら両後手十目の方を打つのです。そして後手を引きますが、その次に相手が両後手五目の手を打ちますが、結果はどうなったでしょうか?

そうです。十目増えて、その後五目減らされたので、差し引き五目増えたことになります。

もし、先に両後手五目の方を打ってしまったらどうなるか?相手が両後手十目を打つことにより、結果として五目減ることになりますね。

このように、ヨセでは手の大きさを評価し、先手と後手を常に考えながら自分が一目でも得をするように打つのです。

この、ヨセの手の大きさについての基本的なことについては、ヨセ(2)で説明します。

  • ヨセは、中盤の戦いが終わった後、自分の地をさらに増やすために打つ手である。
  • ヨセには、両先手、片先手、両後手、逆ヨセがある。
  • ヨセは、盤上で境界線がまだ確定していない部分について、地の得が大きいところから順に打つ。

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