布石(2): 最初に覚える基本的な布石

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最初に覚えておくとよい布石の例をいくつかご紹介します。いずれも、プロ・アマ問わず今でもよく打たれる布石です。

布石も、時代により流行がありますし、コミの大きさによっても考え方が変わってきたりしますが、最初は難しく考えずに、基本的な形からおさえていきましょう。そして、実戦でたくさん打ってみましょう。

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二連星と三連星

まずは、二連星です。


図1

黒1と黒3で 1つの辺の隅にある2つの星を占めています。この2つの星を占めた配石を二連星といいます。

これは他の布石もそうですが、必ず1手目と3手目で占める必要はなく、例えば1手目と7手目でもよいです。

また、この2つの手で布石が終わりという意味ではありません。この二連星の形から中盤までの石の並びが布石です。つまり、二連星といっても、このあとの布石の石の並び方はたくさんあります。

もちろん白番が打ってもそのように呼びます。

さて、白は星と小目を占めました。黒5では、小目の白石に一間高ガカリしています。このカカリからは、次の記事で紹介した定石が打たれているわけです。

ここでは、最初に覚える基本定石のほんの一部をご紹介します。これから定石を勉強しようとされている方に、切り口として参考にしていただければと思います。

黒11まで。黒11は一路左の三線に打つこともあります。

この次は白番です。白12は黒3の石に下辺から小ゲイマにかかったり、あるいは黒11に対してツメを打ったりする手などがあるでしょう。どの手が正解というものではありません。ただし、この碁盤全体の配石から次に優先される地点は確かにあります。これは考え方なので、プロ、アマチュア(棋力による)によって打つ手が変わってくるところなのです。

このようにして布石が進んでいきます。

次は三連星です。


図2

図2の黒5のように、図1の二連星の間にあるもう1つの星を黒が占めれば、図2の三連星と呼ばれる形になります。

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白番の方は、図1と同じように星と小目を1つづつ占めた配石にしました。

黒が黒5と星に打ったので、白番からは三連星の星にカカるか、自陣の小目をシマることが多いでしょう。シマる場合は図2のようになりますし、カカる場合は三連星の辺の反対(上辺 or 下辺)から小ゲイマでカカることが多いでしょうか。

さて、黒番ですが、ここでは黒7ともうひとつ星を占めています。4つ目の星も占めたので、四連星と呼ばれることもあります。三連星ではこのように、黒模様を盛り上げていくことが多いです。

白は、黒模様が盛り上がり過ぎないように、白8と小ゲイマにカカリました。黒は9と一間に受け、次に白は10とヒラキました。白10で基本定石のところで説明したような、ケイマにスベる定石を打つと、黒に挟まれるかもしれません。図2のように白10とヒラく手も普通に打たれます。

中国流

続いて、中国流です。


図3

黒1, 3, 5の位置を占めた形が中国流です。黒5は一路左に打つこともあり、高い中国流と呼ばれています。

中国流に対しては、図3の白6と変則的なカカリを打ったり、上辺のAに小ゲイマがかりすることが多いでしょうか。図3では、黒7の一間トビで受け、白8にヒラいた形を載せました。

この後、黒9は白4の星に上辺から小ゲイマでかかったり、上辺の大場である星に向かう人もいると思います。

ミニ中国流

ミニ中国流という布石もあります。


図4

図4で、黒3, 黒5、黒7の3つの位置を占めた形がミニ中国流です。

ミニ中国流は道策流とも呼ばれています。道策とは、江戸時代の棋士、本因坊道策のことです。300年以上も前に、すでに道策に試みられていた、歴史のある布石です。

もし白がAに一間高ガカリしてこようものなら、黒Bと応じて攻めていこうというわけです。

中国流とならび、このミニ中国流も、その布石の解説だけで一冊の本になっているくらい、変化が研究されてきました。興味をもたれましたら、ぜひその布石の本を読んでみてください。

個人的には好きな布石の1つです。

その他の布石

次の記事:

布石とは、第一手目から中盤の戦いが起こるまでに打つ石の配置のことです。 布石により、一局の碁の骨格が決まります。中盤以降の戦いやすさや地のでき具合を左右する重要な要素といえます。

にも書いたとおり、布石には特別な名前がついているものも、そうでないものも、たくさんあります。

よく出現する基本的な布石については、布石の本を普段から読み、その特徴や石運びをおさえておくとよいでしょう。

自分の好きな布石をぜひ見つけてみてください。

まとめ

  • 二連星、三連星、中国流など、よくでてくる布石をまずは打ってみよう。
  • 布石の本で、それぞれの布石の特徴や石運びをおさえよう。
  • 自分の好きな布石を見つけよう。

布石の事典として、以下をご紹介します。

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